2010年5月1日土曜日

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わたしの尊敬する北欧の歌姫

朝四時の空気は白が足りない
煙草に火を点けて
無駄なうねりを追い払っていく
排水溝に残るわたし
湿気と埃が一緒に沈殿してゆく
昨日の思考はなまぬるい
いつもより多く眠っていたから

尊敬する北欧の歌姫
霧と同じ重さの声
決してせかされることのない時間
わたしは塵、わたしは染み、わたしは古い家具

1990年は灰色だった
4原色の落書きが懐かしい
あの朝焼けはどこに消えてしまったんだろう?
窓の水滴と同じね
あのころは少し無機質なものが好きだった

北欧の歌姫の気配がする
壁の木目から
いまは冬、しずかな冬

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